心をひとつに

皆さんよくご存知なお経に般若心経というお経があります。その最後の最後の箇所に羯諦、羯諦という所がありますが繰り返しています。羯諦は渡るという動詞です。過去形だそうですから、渡ったとなります。どこに？向こうの岸に。波羅羯諦向こうの岸に、彼岸に渡った、と。そして波羅僧羯諦と続きます。この僧は大勢でみんなでを意味しますから、みんなそろって、向こうの岸に渡ったとなります。菩提、悟りです。薩婆訶、完全に成就した、と。　　　私だけでなく、みんなで渡った。そうすることにより、お悟りの道が成就したという解釈もできるかと思います。今、世界中の人々がコロナウイルス感染により苦しんでいます。そういう今だからこそ、一人だけでなくみんなでそろって心一つになることにより、全ての人びとが救われる、そんな気持ちが大切なのではないでしょうか。参考文献　禅文化研究所発行　般若心経　山田無文