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一切皆苦

仏陀が発見されたこの世の理法とは、「一切は無常であり無我である」という、 厳然とした事実そのものでした。この理法を日常の生活の原理として我々が生きるならば、そこに 貪欲や 瞋恚や 愚痴といった煩悩は、生じないはずです。

しかし現に自らの一生を見渡す時、やがて老いたり病んだり死んだりすることに対して、心穏やかな者は一人もいないことも、また事実です。むしろ老病死の苦を 隠蔽して、刹那の日々を享楽的に過ごしているのが、我々の実際だと言えます。

老少不定と言われる各人の死期に直面した時、初めて我々は生きていることの意味を 真摯に考えざるを得ないと言えるでしょう。

ゆえに仏陀は「一切はみな苦である」と感じ取る、個別の苦を介してしか真実の理法には出会い得ないということを、第三番目の真理として掲げられるのです。