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両忘

両忘 ――「白か黒か」へのこだわりを忘れて――

生死、苦楽など、相対的な対立を忘れ去り、二元的な考え方から脱すると。「内外両忘」「善悪両忘」「両頭坐断」なども同様の意味でつかわれる。

好きなの? 嫌いなの? イエスかノーか?

私たちの生活の中には、白か黒か、あれかこれかの判断を迫られる状況が山ほどあります。

好きと嫌い、真偽、善悪、苦楽、美醜、幸不幸、生死など、対立する二つの事柄で世の中の多くが成り立っているので、それは仕方がないことでしょう。

この「両方忘れる」という禅語は、そうした二元的な考え方をやめてみろと言っているのです。どっちなのかと判断することをやめて、両方へのこだわりから抜け出すこと。善悪を忘れる、生死を忘れる、自分の打ちと外さえ忘れる……。

あれかこれかの価値判断から解放されると、気持ちはぐっとラクになり、「どっちだっていいじゃないか」という余裕も生まれてきます。

本来、世の中の物事すべてが白黒はっきりするわけでなく、ことの善悪など、すぐに正しい判断が下せるものではありません。曖昧なこともそのまま受け入れ、ただ精一杯に生きてみましょう。ほどよく肩の力が抜けて、生死や苦楽にとらわれることなのない、おだやかで清々しい日々がやってきます。