一念忘機
人には喜怒哀楽が備わっています。
様々な感情に突き動かされる時もありますが、そうした「思い」「念」を、しばし忘れましょう、というのが「一念忘機」という禅語に込められた悟りです。
例えば、悲しみに心が満たされてしまうと、目にするもの全てが悲観的に捉えられて見えます。
怒りに満たされると、やがて報復することが目的化し、感情に支配される生き方になります。
こうした、考えすぎるほどの感情を、一時的に忘れることで、悲しみも怒りも、霧消してしまうこともあるのです。
人間には感情がありますから、当然、そうした思いに心が囚われるでしょう。
だから、立ち止まること。
感情を押し殺すのではなく、忘れること。
忘れることで何が起きるのか?今歩いている道端に、花が咲いていることに気がつけるのです。