西風一陣来 落葉両三片
秋風のことを西から吹く風、西風と言いますが、この冷たい風がピュウっと吹いてきました。
せっかく、お弟子さんたちが時間を掛け、庭を掃き清め、葉っぱ一枚もきれいにしたと言うのに、今吹いた一陣の風で、落ち葉が3枚ヒラヒラと庭に落ちてきます。
お弟子たちは慌てて、その落ち葉を拾おうとしたのでしょうか、お師匠様が呵々大笑しました。
お弟子の慌てふためいた姿に笑ったのではありません。
きれいに掃き終えた庭に、自然の風が数枚の落ち葉を運んできた。
これを風情と感じたのでしょう。
何事も曇り一点もない正しいことが
良いこととはいえないこともあります。
また、塵芥一つない状態が良いのではないのです。
我々は変化の中に活きていきます。
ならば、いついかなるときも時の流れによる変化は避けられないのです。だから、きれいに掃き清めた庭に落ち葉が数枚。
これこそが、我々の生きる世界の清らかさではないでしょうか?