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势不可尽使

「勢い 使い尽くす可からず」と読む。 勢いを使いつくしてしまうと、禍になるという意味である。

人は、幸運に恵まれ過ぎると、不調の兆しが見えてくる。

とかく人間は、調子に乗りやすい。調子が悪いときには石橋を叩くように慎重に努力していても、勝利の美酒に酔いしれているうちに、ついつい緊張感がなくなってくる。

勝って兜の緒を締めるというように、喜びに浸りすぎてはいけない。

幸せの清水は、油断したら乾いてしまうのかもしれない。

暑いといって湖に入り、ふんだんに水を使うことはできる。それでも遠慮して手ぬぐいを濡らし、汗を拭く程度にする分をわきまえた行為が大切だ。水はたくさんあるように思えても、自分の使える分量は決まっている。先のことも考えて後の人の分も残すことが必要だ。

好調時には、もっとチャンスを生かそうと必要以上に欲をかいて、自分の実力以上のことをしてしまう。

調子の良いときほど、慎重に行動すべきだ。