雨収山岳青
降りしきる雨、あるはずの景色や物も観えないが、一旦雨があがると、前方に夏の山がいつもの通り青くくっき
りと現れてくる。蒼々たる緑樹は輝かんばかりである。
雨や曇、水や雨だれ、雪や雷などなどの自然現象も、山や海、川や滝などの自然は、煩悩に例えられたり、逆に仏性に例えられたりする。
森羅万象は、それを受け取る側の心次第。
日々妄想に振り回されている大衆に、「無心が一番」なんて言ったって通じない。「無」は有無など無い、という意味だと言ったも、「あるものはあるし、ないものはない」と返される。人は心と現象で生きている。
つまり、事実は必ず解釈される。肯定的に解釈すれば豊かな心、否定的に解釈すれば貧しい心。
でも、そんなもの一瞬の気分。いつだって現実を生きてゆく。莫妄想。あるがままを認めて生きましょう。