萬法一如
萬法(すべての存在)は、一如(一つのもの)であるということから、宇宙に存在するものすべてはみな同じであることを表すのが、萬法一如である。
たとえば、花や月というのは私たちがつけた名称だ。もしも、あらゆるものの名称がつけられる前を「無」であるとしたら、花も月もかつては「無」であるということになる。ものの名前など、しょせん私たちがそう呼んでいるに過ぎない。そう考えると、宇宙のすべてが「無」ということになるので、一切が無、つまり萬法一如であるということになるのである。
すべてのものが一つというのは、すぐにわかる感覚ではないかもしれない。しかし、今いる世界、地球、宇宙、生きていることそのものという大きな視点で自分の存在を考えてみると、今ある場所は、自分と誰かがいることではなく、一つの存在そのものの中に自分も誰かもあると、次第に思えてくるだろう。
すべての存在が同一であることは、そこに差別のない絶対的平等が起こる。だから、誰かと比べなくても大丈夫。すべては同じで、平等な世界なのだから。